スーパーサラリーマン左江内氏 2話 感想

 今回は、左江内氏の家庭での問題と会社での問題を並行して描くことで、彼の人格や行動原理を特徴づける回だったな。

 

 まず家庭での問題、つまりもや夫が指揮者に選ばれた件やな。ここで目を引いたのは、なんと言っても左江内氏の誠実な姿勢と行動力の高さや。体育の授業中にうんていから落ちたもや夫だけど、それを同級生の悪戯であるかのように見せかけた彼自身が一番悪い。しかし、そのもや夫だけの話を聞いて、ハナからいじめっ子が悪いと決め込んだ、担任の先生と円子たちも問題だ。自分の好きな子の言うことだけ信じるってのは、その子のことを考えているようで考えていない形だけの行為だからな。「もや夫には絶対音感がある」とか「もや夫のために3万円の指揮棒を買う」とか言ってたのもその延長線上にあるもんや。それに対して左江内氏は、きちんともや夫を観察して、息子に非があったことに気付き、自分でわざわざ学校まで赴いて、生徒たちみんなの前で土下座するんだから大したもんや。普通の父親だったら、家で注意するとか電話で相手の親に謝るとかその程度のもんだからな。はね子の高校に不審者が侵入した時もそうだったけど、わざわざ子供の学校まで行って正義を働くこの行動力の高さを持っているのは、間違いなく「スーパーマン」の適性がある立派な大人やと思うわ。左江内氏の誠実な姿勢が印象に残った良いエピソードだった。

 

 次に会社での問題、つまりもんじゃ屋の敷地にマンションを建設する計画の話だ。左江内氏は、マンション建設を進めたいもんじゃ屋経営者と自分の上司、もんじゃ屋を立ち退かせて道路拡張工事を進めたい近隣住民、この両者の間で板挟みになるわけや。道路を拡張したい背景には、昔救急車が通れなくておばあさんが亡くなったって悲しい過去があるから、緊急性や公益性を考えると道路を拡張するのが正解なんだろうな。それで左江内氏は近隣住民側につき、もんじゃ屋の経営者夫婦を説得する側に回った。自分の会社の自分の部署の成績を上げることよりも、近隣住民の幸せを重要視したってことやな。しかし、会社からして見れば、左江内氏は仕事を取ってこれなかったグズになるし、近隣住民からして見ても、記憶が消去されているので左江内氏が尽力してくれたなんて知る由もない。つまりこのエピソードは、自分の社会的評価よりも正義・公益性を優先する左江内氏の「スーパーマン」としての姿勢が端的に描かれているわけや。これは原作の左江内氏の根底に流れる思想でもあるし、こういう話をクールの序盤に入れたのは今後のためにも正解だったと思うわ。

 

 そして意外だったのは、この二つの問題が最後まで交錯しないまま終わったことやな。家庭のこと会社のこと、マクロなことミクロなことを並行して描く物語って、どちらかを受けて感じたことをもう片方に適用するって話が多いからな。藤子作品だとエスパー魔美T・Pぼんあたりで顕著やな。まぁ結び付けなきゃいけないなんて決まりはないから、とやかく言うことではないんだけど